寝つけない更年期女性へ|今夜からできる夜のセルフケア6つで良質な眠りをつくる

こころと身体を整える

夜、布団に入ってもなかなか眠れない…。寝ても何度も目が覚めてしまう。

そんな夜はありませんか?

更年期になるとホルモンバランスの変化から、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めることがあります。

私も更年期のホットフラッシュが原因で何度も目覚める日が続きました。自己流で試行錯誤する中で、「夜の過ごし方」を整えることで睡眠の質が改善した経験があります。

この記事では、公認心理師としての知見と自身の体験を踏まえ、心と体をリラックスモードに導く夜のセルフケア習慣6選をご紹介します。すべて誰でも簡単に取り入れられる方法です。

⚠️本記事は、公認心理師である筆者の実体験と心理学的視点に基づいたセルフケア方法を紹介するものです。医療的な診断や治療を目的としたものではありません。睡眠障害や体調不良が続く場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。

※つきりんに関する略歴や活動の情報は「運営者情報ページ」をご参照ください。

ホットフラッシュをきっかけに気づいた、「夜のセルフケア」の必要性

更年期には、女性ホルモンの変化によって寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなることがあります。

更年期の不眠や夜中に目が覚めてしまう原因については、こちらの記事で詳しく解説しています

私もホットフラッシュで何度も目が覚める日が続き、日中の疲れが取れない経験をしました。引っ越しや環境の変化で生活リズムが乱れた頃、夜になっても気持ちが休まらず、睡眠の質が低下してしまいました。

その時、交感神経が優位のまま過ごしていることに気づきました。

特にホットフラッシュによる体のほてりで寝つきにくい日が続いたことが、「夜のセルフケア」を意識するきっかけになったのです。

「睡眠の質を上げたい」「夜時間を心地よく過ごしたい」——そう思い、少しずつ夜の習慣を見直すようになりました。

厚生労働省が発表する『健康づくりのための睡眠指針(2023年版)』でも、寝る前のリラクゼーションや生活リズムが、睡眠の満足感(=睡眠休養感)に関係していると示されています。

Point
  • 自分でも意識的に活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」のスイッチを切り替える方法を持っておくこと
  • 夜は休息モードの「副交感神経」を意識的に優位にして、良い睡眠をとること

副交感神経を整える基本のセルフケア

次のような習慣は、心と体をリラックスさせ、副交感神経が働きやすい状態をつくるといわれています(※効果には個人差があります)。

副交感神経を整える習慣

・気持ち良い程度のストレッチをする
・深くゆっくり呼吸をする(息を吸い、その倍の長さで息を吐く)
・ゆったりした音楽を聴く
・読書をする
・入浴する
・好きな香りを取り入れる
・カフェインレスの温かい飲み物を飲む
・リラックスできることをする
・笑う
など

(参考:甲斐ら. 久保ら, Bentleyら

こうした習慣は、「夜は頑張らなくていい時間」というメッセージを脳に届ける助けなります。

無理なく続けられるものを1つでも取り入れるだけで、体と心は少しずつ“眠りやすい状態”へ整っていきます。

つきりん流|夜のセルフケア6つの習慣

1. お香で1日の終わりをリセット

夜の始まりに香りでスイッチを切り替えます。おすすめはラベンダー、サンダルウッド、アンバー、イランイランなど落ち着く香りです。

深呼吸をしながら香りを取り入れると、自然と気持ちが落ち着きます。

2. シャワーで1日の緊張を流す

夜のシャワーは「リセットの儀式」です。

アロマ入りのボディソープを使うと、嗅覚と触覚からも副交感神経を刺激できます。

疲れが強い日は、ぬるめのお湯に10分浸かるのもおすすめです。

ちなみに私は、ゆっくりお風呂に入るときは、先に「4. 家事をマインドフルに行う」時間を終えてから入るようにしています。

こうすることで、1日の思考やストレスをしっかりリセットし、夜のセルフケアの効果を最大限に高めることができます。

3. 音楽を流す

ジャズやR&Bのゆったりした曲など、呼吸が落ち着く音楽を流します。夕食や片付けの時間にBGMとして流すだけで、家庭の雰囲気が穏やかになります。

音楽療法でも「60〜70BPM(心拍と近いテンポ)」がリラックスに効果的と言われています。

自分が心地よいと感じるものを選びましょう。

4. 家事をマインドフルに行う

家事を「作業」ではなく「今この瞬間」に集中する時間に変えます。泡の温度や水の音を感じながら、余計な考えを手放し、1日の思考をリセットするイメージです。

→「家事でマインドフルネス」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

5. アロマキャンドルを焚いて光と香りを楽しむ

炎のゆらぎと香りの組み合わせは、とても穏やかな体験です。

炎のゆらぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれ、自然界にも多く存在するリズムです。人の脳波を安定させる作用があるといわれています。

さらに、香りは自律神経のバランスを整える効果があると言われています

アロマキャンドルの香りは自分に合って、落ち着く香りを選ぶことがおすすめです。夜はミモザ、ラベンダー、ゼラニウムなどの香りを選ぶと落ち着きやすいです。
つきりんが今、使っているのはミモザの香りのアロマキャンドルです。

6. 夜ヨガ+短い瞑想

就寝前に軽いヨガを10〜15分行い、その後1〜3分の呼吸瞑想をすると効果的です。YouTubeの「熟睡ヨガ」や「安眠ヨガ」などを活用すると始めやすいです。

夜ヨガは凝り固まった筋肉や関節をほぐし、血行を促進する効果があると言われています。さらに心身の緊張を緩め、副交感神経を優位にし、睡眠の質を高める効果も期待できます。

続けるコツと安全なセルフケアのポイント

  • 1日1つからでOK。完璧を目指さず、続けやすいものを選ぶ。
  • 体調が悪い日は休む勇気もセルフケア。
  • 人によって効果は異なります。自分に合う方法を探して調整。
  • 強い不眠やホットフラッシュが続く場合は、専門家に相談。

まとめ|夜のセルフケアが、明日の私をやさしく整える

夜の過ごし方を少しだけ整えるだけで、翌朝の体感は変わります。私自身も夜ルーティンを取り入れてから、眠りの質が上がったと感じています(個人の感想です)。

今日から1つ、気になるセルフケアを取り入れてみませんか?
小さな変化が大きな心地よさにつながります。

→アラフィフ女性の朝にぴったりの習慣は、こちらの記事を参考にしてみてください。幸せホルモン「セロトニン」を増やす、毎日簡単に取り入れられる朝のルーティンをわかりやすく解説しています。今日から取り入れられる習慣ばかりです。

参考にした研究・公的情報

本記事の内容は、私の体験に加えて、以下の心理学の研究や公的機関の情報を参考にしています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

・厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023
資料を読む

・女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修
公式サイトを読む

・日本女性医学学会「毎日の生活から改善!更年期のセルフケアとは(更年期のセルフケア)」
YouTubeを見る

・健康日本21アクション支援システム「女性の睡眠障害」
公式サイトを読む

・厚生労働省 「睡眠とストレスの関係|専門家コラム」
専門家コラムを読む

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