こんにちは、つきりんです。
「セルフケアが大切なのはわかっているけれど、時間がない…」
「何をすればいいのかイメージできない」
そんな方も多いのではないでしょうか。
ストレスと上手に付き合うためには、完璧なセルフケアよりも、小さく・楽しく・続けられるセルフケアが大切です。心理学では「セルフコンパッション(自分への思いやり)」と呼びます。
自分を責めず、できることから少しずつ心と体を整えていくことが、回復力を高め、日々の生活をより豊かにしてくれます。
この記事では、私の体験と心理学の知見を組み合わせて、無理なく毎日続けられるセルフケアのポイントを4つご紹介します。

⚠️この記事は、公認心理師としての知識と私自身の体験をもとに情報提供を目的としたものであり、専門的な医療や治療を提供するものではありません。心身の不調を感じる場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
※つきりんに関する略歴や活動の情報は「運営者情報ページ」をご参照ください。
ストレスは人生のスパイス

「ストレスをなくしたい」と思っていませんか?
実は、ストレスをゼロにするよりも“上手に付き合う”ことが、心の健康を守るカギなんです。
ストレス研究の第一人者であるカナダの生物学者、ハンス・セリエ博士は「ストレスは人生のスパイス」と表現しました。
- 適度なストレスは人生にメリハリを与え、充実感を高める
- 過剰なストレスや自分に合わないストレスは体調や心に負担をかける
料理にスパイスを加えることで味が引き立つように、人生にも適度なストレスがあることで深みが生まれるものです。しかし、強すぎるスパイスが料理を台無しにしてしまうように、ストレスが強すぎると心や体に悪影響を及ぼすこともあります。
大切なのはストレスと上手に付き合うこと。
適度な刺激をうまく活かしながら、回復力(レジリエンス)を育てていくことで、人生の質を少しずつ高めていけるのではないでしょうか。
セルフケアとは?心理学の視点から

セルフコンパッション(自分への思いやり)
心理学でいう「セルフ・コンパッション」とは、自分を責めず、ありのままの自分を受け入れ、優しくいたわる姿勢のことです(参考:Neff & Davidson)。
この考え方は、ストレスと上手に付き合い、心と体を整える“セルフケアの基盤”にもなります。
- 心や体のバランスを整えること
- 日常のストレス反応を穏やかにすること
- 自分の回復力を高めること
これらはすべて、セルフ・コンパッションを日常の中で実践している行為だといえるでしょう。
つまりセルフケアとは、「自分への思いやりを、日常の中で具体的な行動として表すこと」だと言えるのではないでしょうか。
特別な時間やお金をかけなくても、自分の心地よさや楽しさを感じる小さな行動で十分です。
そうした“自分を大切にする習慣”が、ストレスに強く、しなやかな心を育てていくのです。
具体的なセルフケアの例
1. 体を整えるセルフケア

- 質の良い睡眠を取る(寝る前のヨガ、アロマ、肌触りの良い寝具など)
- ゆっくりお風呂に入る/サウナに行く
- バランスの取れた食事を意識する
- 適度な運動(ウォーキング、ジョギング、ラジオ体操、ヨガなど)
- ストレッチやマッサージを取り入れる
- 水分補給をこまめに行う
- 処方されている薬をきちんと服用する
2. 心を整えるセルフケア

- ジャーナルを書く(感情や気持ち、考えを整理する)
- 感謝日記をつける
- 1日1つ、自分の良いところや頑張ったことを書く
- 信頼できる人やカウンセラーと話す
- 笑う、泣く、思いっきり叫ぶ
- 音楽を聴く、映画や本を楽しむ
3. 日常に取り入れやすいセルフケア

- 通勤や家事の時間にマインドフルネスを行う
- お皿洗いや掃除などの家事を意識的に楽しむ
- ペットと遊ぶ、子どもと思いっきり遊ぶ
- ウォーキングやハイキングなど自然に触れる
- カラオケで歌う、楽器やダンス、絵を描くなどの表現活動
4. 自分の内面と向き合うセルフケア

- 瞑想して平穏と静寂の時間を取る
- マインドフルネスを日常の中で実践する
- 自分一人の時間を作り、好きなことや内面を知る作業を行う
- 新しいことを学ぶ、パズルや趣味に没頭する
セルフケアを日常的に続けるための4つのポイント
①5分でOK!隙間時間に行う習慣からスタート

セルフケアは、ちょっとした隙間時間に取り入れることができます。
- お昼休憩や家事の合間の休憩
- お湯が沸くまでの待ち時間
- 通勤電車の中
私の場合、朝ご飯と家事の合間に本を読んだり、ジャーナルを書いたりして心を整えています。
また、お昼休憩にストレッチや深呼吸、香りのハンドクリームで手のマッサージを取り入れることもあります。
1回5分でもOK。短時間でも毎日続けることで心と体の変化を実感できます。
②自分のセルフケアメニューを作る

自分に合ったセルフケアを明確にするため、セルフケアメニューを作るのがおすすめです。
1. やりたいこと、自分に合いそうなことや試してみたいと思うケア方法を書き出す
2. 「毎日5分でできること」「週に1〜2回できること」「時間があるときにやれること」に分ける
メニューを作ることで、やるべきことが明確になり、楽しみながら取り組めます。
自分に合わないものは削除してOK。無理せず続けることが大切です。
③楽しく続けられるものを選ぶ

一般的に良いとされる方法でも、自分に合わなければ続きません。
私の体験では、ジョギングは続かず、ウォーキングに切り替えたところ大成功でした。歩くことでリフレッシュでき、アイデアも湧き、何より楽しい!
快感や楽しさを感じる行動は自然に習慣化されます。
→「毎日の行動を自然に習慣化したい!」という方は、ぜひこちらの記事へ。小さな工夫で、セルフケアや運動が無理なく続くヒントが満載です。
楽しさや心地よさを感じることを優先する。快感がある行動は自然に習慣化します。
④日常生活の中に組み込む

セルフケアは特別な時間だけでなく、日常の動作に組み込むことも可能です。
例えば、家事や通勤、シャワーやお茶の時間などです。
私は最近、お皿洗いでマインドフルネスを取り入れています。
マインドフルネスとは意識的に「今この瞬間」に注意を向け、評価や判断をせず行動することです。
- 水の音や泡の感触、洗剤の香りに集中
- 一定のリズムで洗うことに意識を向ける
この習慣で、日常生活の中で心が落ち着き、リフレッシュ感を得られるようになりました。
マインドフルネスお皿洗いを始めたきっかけは、夜のルーティンも作ってみようと取り組み出してからです。
→良質な眠りに役立つ夜のルーティンについては、こちらの記事をご覧ください。
→Be Mindfulの「日常のマインドフルネス」のページには
日常生活に取り入れることができるマインドフルネスのアイデアが載っています。
マインドフルネスだけでなく、家事をしながらエクササイズしたり、
通勤の電車やバスでジャーナルを書いたり、日常生活の行動にセルフケアをプラスしていくことができます。
日常生活の中で小さなセルフケアを取り入れるだけで、心身の回復力が高まります。
まとめ|小さなセルフケアが大きな変化を生む
まずは5分から、今日からできるセルフケアを取り入れてみませんか?
小さな習慣が、やがて大きな変化を生みます。
参考にした研究・公的情報
本記事の内容は、私の体験に加えて、以下の心理学の研究や公的機関の情報を参考にしています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
・厚生労働省「ストレス」
☞記事を読む
・大 宮 宗一郎, 富 田 拓 郎「マインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)とは何か:展望と課題」
☞論文を読む





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