こんにちは、つきりんです。
皆さんは最近、
「この先どうなるんだろう…」
「この選択で本当に良いのだろうか…」
と感じた瞬間はありましたか?
アラフィフになると、転職・転勤・子どもの独立・親の介護など、“人生の転機”と呼ばれる出来事が次々と訪れます。
若い頃と違い、キャリア・家族・生活基盤など守るべきものが多いからこそ、「手放す不安」が大きくなるのは自然なことです。
私自身も、転勤族の家族として、知らない土地への引っ越しという大きな転機を経験しました。
この記事では、その体験と心理学の視点を交えながら、不安な転機を「成長のチャンス」に変える方法をお伝えします。
この記事を読み終えるころには「今の不安は、終わりのサインではなく、新しい自分に出会う準備なのかもしれない」そんなふうに感じられるヒントが見つかるはずです。

⚠️この記事は、公認心理師としての知識と私自身の体験をもとに情報提供を目的としたものであり、専門的な医療や治療を提供するものではありません。心身の不調を感じる場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
※つきりんに関する略歴や活動の情報は「運営者情報ページ」をご参照ください。
50代(アラフィフ)に訪れる人生の転機とは?不安の正体と心理学的背景
人生にはさまざまな節目がありますが、アラフィフの時期には以下のような出来事が重なりやすくなります。
- 転職・転勤・定年が見え始める
- 子どもの巣立ち・進学など、親としての役割が大きく変化する
- 親の介護・実家の問題が始まる
- マイホーム・住宅ローン・老後資金の現実が迫ってくる
これらの転機が他の年代と違うのは、「守るものが多い状態で変化を求められる」という点です。
年齢を重ねると、築いてきたキャリア、人間関係、生活リズム、趣味などが増えます。そのため、変化に直面したとき「失うものが多い」という意識が不安を強め、一歩踏み出すのが怖くなるのです。

心理学では、こうした時期をライフステージの移行期と呼び、自己概念・生活の安定感が揺らぎやすいとされています。
50代の転機体験談|転勤でキャリアを手放したときの葛藤と気づき
私の大きな転機は、夫の突然の転勤でした。
新しい土地には知人も友達もおらず、キャリア情報もゼロの状態でした。
- 家族で一緒に引っ越すべきか
- 自分のキャリアを優先し、夫だけ単身赴任してもらうか
どちらを選んでも、何かを手放さなくてはいけません。
- 長年築いてきたキャリアや仕事の実績
- 信頼できる仲間や友人とのつながり
- 住み慣れた環境や生活リズム
「ここまで積み上げたものを、本当に手放してしまって良いのだろうか」
そんな迷いの中で、私は「家族と一緒に行く」という選択をしました。
価値観を軸に選んだとき、心に起きた変化
この決断は、損得や世間体ではなく、「家族が一番大切」という自分の価値観に基づいたものでした。
心理学でも、自分の価値観に沿った選択(自己決定感)は、後悔を減らし、心の満足感を高めることがわかっています(参考:Deci & Ryan)。

結果として、選んだ後は心が軽くなり、前向きな気持ちが芽生えました。
不安や迷いはゼロにはなりませんでしたが、「自分で決めた」という安心感が、不安に押し潰されそうな気持ちを支えてくれたのです。
- 心理的柔軟性が高まり、不安に押し潰されにくくなる
- 自分で選んだという感覚(自己決定感)が心を安定させる
- レジリエンス(立ち直る力)が育つ
転機の不安を乗り越える方法①|自分の“価値観”を知る
転機で迷ったとき、多くの人が「どちらを選ぶべきか」に意識を向けます。
でも本当に大切なのは、「何を大切にして選ぶか」です。
自分の価値観を見つける質問
価値観が明確になると、迷いや不安の中でも、ブレない軸が生まれます。
心理学においても、価値観に沿った選択は心理的柔軟性やレジリエンスを高め、困難な転機も「成長のチャンス」に変えることができることが示されています(参考:Tedeschi & Calhoun)。
→価値観を見つける方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
転機の不安を乗り越える方法②|認知的再評価(視点の転換)
不安やストレスを感じると、人はどうしても「できないこと」「失うもの」に意識を向けがちです。
そんなときに役立つのが 認知的再評価(Cognitive Reappraisal)という方法です。
これは、出来事そのものを変えずに“意味づけ(解釈)”を変えることで、感情の反応を穏やかにする心理学的スキルです(参考:Gross)。
ポジティブ心理学の分野でも、不安や葛藤を成長のチャンスに変える力として推奨されています。
つきりんの実体験:引っ越しを“ストレス”から“チャンス”へ
正直に言うと、転勤に伴う引っ越し準備は精神的にも体力的にもとても大変でした。
前向きに頑張ろうと思っても、荷造りや手続きだけで心が折れそうになる瞬間がありました。
そこで私は、引っ越しを次のように“捉え直す(再評価する)”ことにしました。
- 「引っ越し=大変な作業」
→ 「必要のないものを手放せる断捨離のチャンス」 - 「知らない土地への不安」
→ 「新しい仕事や人との出会いがある、人生の新たなスタート地点」
このように視点を変えたことで、不思議と気持ちが軽くなり、「よし、どうせやるなら楽しもう」と思えるようになったのです。
結果として、片付けや準備がスムーズに進むだけでなく、やり終えた後の達成感や、自分でも驚くほどの前向きな気持ちが生まれました。
さらに、時間管理や片付けの習慣など、新しい暮らし方にも良い影響が続いています。
50代おすすめ|心の回復力を高める日常習慣3選
50代の転機や不安を前向きに乗り越えるには、心の回復力(レジリエンス)を高める日常習慣が役立ちます。
ここでは、私自身が実践して効果を感じた3つの習慣をご紹介します。
1. ジャーナリングや感謝日記
毎日、感謝できることや学んだことを記録するだけでも、心が整いやすくなります。

ポジティブ心理学研究でも、感謝の習慣が幸福度や心理的健康を高めることが示されています(Gibbon, 2020)。
- 書く時間は5分でもOK
- 「今日はこれに感謝できた」と小さなことを意識する
- 自分の感じたことを書き出すことで整理できる
2. セルフケア時間の確保
ヨガ、散歩、香り、読書、瞑想など、自分のためのリラックスタイムを取り入れます。体と心を休めることで、ストレスの回復力が高まり、不安を抱えにくくなります。

→セルフケアについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
- 毎日10〜20分でも効果的
- 五感を意識することがポイント
3. 価値観の再確認
日々の読書・映画・会話などを通して、自分が本当に大切にしたいことを意識化します。自己理解が深まり、迷いや不安を減らすことにつながります。

- 定期的に(月に一度や週に一度)、価値観を振り返る
- 日常の小さな選択(食べたいものや服など)でも、自分の声を意識して選ぶ
まとめ|転機は“終わり”ではなく“もう一度選び直せるチャンス”

アラフィフで訪れる転機は、不安や迷いを伴います。でも、それは「新しい人生の準備が始まったサイン」でもあります。
- 自分の価値観を知り、それに沿って選択すること
- 物事の見方を変え、前向きな意味を見つけること
- 心を整える日常習慣を持つこと
これらが整うと、転機は怖さだけの出来事ではなく、「人生をもう一度選び直すチャンス」になります。
あなたもぜひ、小さな一歩から始めてみませんか?
参考にした研究・公的情報
本記事の内容は、私の体験に加えて、以下の心理学の研究や公的機関の情報を参考にしています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
・Richard M. Ryan and Edward L. Deci(2000). 「Self-Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation, Social Development, and Well-Being」
☞論文を読む
・楠見孝. 「幸福感と意思決定ー決定スタイルと自己制御モードの文化差ー
☞論文を読む
・小林 亮太, 重松 潤, 宮谷 真人, 中尾 敬(2020)「認知的再評価と気晴らしは脱中心化を媒介して精神的健康に関連する」
☞論文を読む
・Harvard Health Publishing (2021)「Giving thanks can make you happier」
☞公式サイトを読む





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